映画を見た後に、原作も読みました。
映画は原作にほぼ忠実で、飛躍したところなどは無かったかと思います。
内容はamazonからの引用ではこんな感じ。
静岡のゴミ屋敷の焼け跡から、3年前に東京で失踪した若い女性の遺体が見つかった。逮捕されたのは、23年前の少女殺害事件で草薙が逮捕し、無罪となった男。だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。町のパレード当日、その男が殺された――
容疑者は女性を愛した普通の人々。彼らの“沈黙”に、天才物理学者・湯川が挑む!
ガリレオvs.善良な市民たち
“容疑者X”はひとりじゃない。
amazon
殺された男は決定的な証拠がありながらも、無罪となったのは、徹底的に黙秘を貫いたから。
有罪かどうかを自白に重きを置きすぎた警察に対して、それを乗り越えたこの男は、
「警察が産んだモンスター」
とまで言われていました。
ならば、「科学的思考のモンスター」である湯川とのモンスター対決が見たかった。
そもそも、「ガリレオ vs 善良な市民たち」など見たく無かったです。
さらに、善良な市民たちに対峙する相手には、当たり前ですが、警察も加わってきて、彼らが追い詰められていくのは切なくなります。
また、原作の方では、「草薙のことを思って」湯川が「なみきや」に早くから近づいていきます。
彼にはありえないくらいの、オープンでフレンドリーな対応で。
それならば、「善良な市民」が狂気に走る前に気づき、止めて、悪い人間を追い詰めて欲しかったとも、思ってしまいました。
あれこれ言ったとしても、映画を観て、原作を読んだしまったので、面白かったと思います。
もしかすると、こういった「やりきれない気分にさせる作品」に触れることで、自分の中にある「やりきれなさ」のようなものが浮かんできて、少し燃焼できたからかもしれません。