Amazon Prime会員になって、もう何年にもなる。
その中の動画配信サービス、Amazon Prime Videoではそれこそ様々なものを観れるはずだが、僕の場合は面白いと思ったものを繰り返し観てしまっている。
数か月くらい前から繰り返し観るものとして、
ベストネタシリーズ ナイツ
というのがある。
このビデオは、初回にあたる2010年から2013年までの「ナイツ独演会」のネタから選んだ13本を集録したもの。
「ベストネタ」とだけあって、どれもかなりハイレベル。
この中で特に好きなのは、「最強のネタ」と「野球寿限無」です。
「最強のネタ」は漫才開始時からボケの塙が笑いながら登場。
そして、塙が吹き出しながら「これからやるネタがめっちゃ面白いんですよ」から始まる。
それに対して、ツッコミの土屋が「早くやれよ」と言うが、塙が冷静にいろんな「お笑いにのレクチャー」を始めてしまう。
塙は「ハードルをどんどん上げても、そんなことも超える面白さ」とも言うが、なかなか始まらない。
最後には、土屋が「そうやってハードルを上げて、結局はやらないというオチだろ!」と言う。
それに対する、塙の返しと、最後に行きつくオチが面白いのです。
また、漫才としても、もちろん面白いのだけど、塙がはぐらかす「お笑いのレクチャー」が聞いていて飽きない。普通の漫才なら「早くやれよ!」とイライラしてしまうのに、聞いていると、なるほどそういうことなのかと、とても勉強になるのです。
自分がお笑いの関係者でなく、一般の視聴者だとしても。
ちなみに、レクチャーの内容としては
- 漫才の軸(ハード)を作り、中身(ソフト)をどうするか?(オードリーを例として)
- 誰にでもできる時事ネタと破壊力あるコントの取り扱いの注意点
- 自分たちの「言い間違い漫才」について
- 落語の古典と新作、古典を新作のようにみせる手法
という感じです。
もう一つの「野球寿限無」は特にすごいです。
冒頭から「塙の二つの悩み」から普通に面白く、二つのうちの一つの「モテたい」という、ありふれた漫才ネタで始まる。
そして、「野球が好きだ」と宣言する塙に対して、土屋が「だったら好きなだけ語ればいい。そうすれば、誰も興味がないことに気づくから」ということで、塙が野球のことを存分に、思いつくままに語る。
「思いつくまま」と思い、ただの面白い漫才ネタと思いきや、最終的にとんでもない回収作業が発生し、自分自身がいつも間にか、この恐ろしい漫才に巻き込まれていることに感動するのです。
これも、ナイツの力なのだろうけど、塙の「思いつくままのような野球の話」が通常は退屈してしまうのだろうけど、聞き入ってしまう。
また、ベースとなるのが、落語の「寿限無」というもの。
僕は恥ずかしながら、初めて知り、この漫才を観て興味が湧き、実際にYoutubeの立川談志の「寿限無」を聞いてしまいました。
もちろん、本来の「寿限無」も面白いです。
この「ベストネタシリーズ」はAmazon Primeでしか見れないようですね。
DVDにしてくれたら、絶対に買うのだけど。