自分と他人の感情に鈍感なイギリス執事の不幸な話。
と書くと、全く他人事のようだが、通勤途中のバスの中で読んでいるときに、最後のシーンのあたりでは、まるで自分の事のようにショックで、目を見開いてしまいました。
自分の人生を後悔しないためにも、男性ならば若いうちから読むべきと思うが、若い人がこの話にそこまで興味を持つとは思わないし、また、実際にこの執事の痛さを理解できるのは、おそらくは中高年くらいであり、それだともう、手遅れではないかとも思ってしまうのだ。
人生はどの時点でもやり直せる、と言われるとしても。
主人公である、イギリス執事は最後に号泣してしまう。
一緒の屋敷で働いていたミス・ケントンの自分への想いに気づき、自分も同様に彼女に対して想いを寄せていたことに気づくが、この気づきが、彼女が結婚のために去り、長い年月が経ち、これから孫が生まれるであろうというタイミングでなのである。
このイギリス執事に対しては、哀れと思いつつ、こういった生き方を反面教師として教訓にしようとは思うが、自分も最後の最後で、彼のように号泣してしまうときが来るのではという怖れと、あきらめのような感情があるのである。
もうそうなった場合は仕方がないですよね。
ハンカチを常備しておこう。
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